ニュース

聯電(UMC)、顧客向け通知で値上げ方針示す

Posted on 2026/04/17



聯電(UMC)、顧客向け通知で値上げ方針示す 成熟製程の需給改善映す
【台北】聯華電子(UMC)は4月16日、顧客と取引先に向けた通知で、2026年下半期にウエハー価格を調整する方針を明らかにした。通信、産業機器、民生機器、AI関連分野で需要が底堅く推移しており、同社の生産能力は引き続き引き締まった状態にあると説明した。成熟製程市場で需給環境が改善しつつあることを、顧客向けの正式なメッセージとして示した形だ。
通知では、2026年上半期に入ってから幅広いアプリケーションで需要が堅調に推移し、その勢いが同社の製品ポートフォリオ全体で持続的かつ一段と逼迫した生産環境につながっているとした。加えて、製造効率の改善や技術・能力増強への継続投資に加え、原材料、エネルギー、物流など主要コストの上昇も、価格改定の背景として挙げた。
注目されるのは、聯電が今回の通知で、価格調整を単なるコスト転嫁としてではなく、供給信頼性を維持するための施策として位置づけた点だ。価格見直しは一律ではなく、製品ミックス、能力契約、長期的な取引関係などを踏まえて個別に判断するとしており、成熟製程事業の運営を数量中心から、収益性と顧客関係を重視する方向へ寄せる姿勢がにじむ。
市場では、このタイミングでの通知を前向きに受け止める見方が出ている。成熟製程はこれまで、在庫調整や価格競争の影響を受けやすかったが、聯電が顧客に対して正式に下半期の値上げ方針を伝えたことは、需給と受注環境に一定の改善が見えてきたことを意味するためだ。顧客向け文書で「供給が引き続き引き締まっている」と明記したこと自体が、会社側の需給認識を示すシグナルと受け止められている。
こうした局面で、台積電(TSMC)が成熟製程の能力構成を見直していることも、聯電には追い風となり得る。
TSMCの魏哲家董事長は16日の決算説明会で、先端製程への投資を拡大する一方、成熟製程では一部6インチ、8インチラインを縮小し、より高付加価値の用途へ資源を振り向ける考えを示した。先端工程への資本集中が進めば、成熟製程の一部需要は、聯電のような専業色の強いメーカーに向かいやすくなる。
聯電にとって重要なのは、今回の通知が単発の価格改定告知にとどまらないことだ。文面では、世界の半導体産業構造の変化が今後も続くとの認識を示し、顧客との連携を深めながら、供給網の強靱性と長期競争力を高めていく方針を打ち出した。これは、成熟製程市場が単なる汎用品供給ではなく、安定供給、品質、長期契約を軸に再構築されつつあるとの見方を反映している。
聯電が4月16日に顧客へ発した通知は、成熟製程市場の現状を示す材料として重要性を持つ。需要の底堅さ、供給の引き締まり、コスト上昇、そして下半期の価格調整という4つの要素を同時に示したことで、同社の事業環境が回復方向にあることを印象づけた。台積電の先端製程シフトが進むなか、聯電は成熟製程の受け皿として、存在感を高める可能性がある。



Back