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PSMC、3D AI Foundryに参入 マイクロン銅鑼工場案件を足掛かりにHBMサプライチェーンへ
Posted on 2026/03/27
台湾のファウンドリー大手、力晶積成電子製造(PSMC)は、AI関連の高付加価値製造への転換を加速している。インターポーザーやWafer-on-Wafer(WoW)、PWFなどの技術を統合した新事業を「3D AI Foundry」と位置付け、今後2~3年で売上高の約2割を担う新たな成長の柱へ育てる方針だ。
この動きが改めて市場の注目を集めたのが、米メモリー大手マイクロン(Micron)が3月26日、台湾・苗栗県の銅鑼工場で開所式を開いたタイミングだ。マイクロンは銅鑼工場を台湾におけるDRAM生産体制拡充の重要拠点と位置付けており、初回の製造装置搬入もすでに完了している。AIサーバーや高性能計算(HPC)の拡大を背景に高性能メモリー需要が伸びるなか、銅鑼工場の始動は、台湾が先進メモリー供給網の中核拠点としての存在感を一段と高めていることを示した。
PSMCもこの流れを取り込み、従来のロジック受託生産や特殊プロセス受託に加え、AIサーバーやHBM(高帯域幅メモリー)関連の中間工程へと事業領域を広げる。マイクロンとの協業では、PSMCはHBM本体を手掛けるのではなく、前工程のウエハー製造と後工程のパッケージング・検査の間に位置するPWF工程を担う見通しで、新竹拠点で関連受託を進める計画だ。銅鑼工場案件を足掛かりに、PSMCは国際メモリーメーカーのサプライチェーンに食い込む形となる。
現在、この案件は立ち上げ準備段階に入っており、2027年第3四半期にサンプル出荷と認証を開始し、同年末から2028年初頭にかけて量産移行を目指す。これは、PSMCが短期的には新ライン構築や顧客認証に継続的に取り組む必要がある一方、実際の業績寄与は量産の進捗に応じて段階的に顕在化することを意味する。
AIサーバー、HBM、先進パッケージング需要が同時に拡大するなか、PSMCが3D AI Foundryを通じてマイクロンのPWFサプライチェーンに参入する意義は小さくない。国際メモリー大手の供給網に組み込まれるだけでなく、同社の事業構造が、これまでの成熟プロセス偏重から、AI主導の高付加価値製造プラットフォームへと徐々に移行していることを示している。今後、認証と量産が順調に進めば、3D AI FoundryはPSMCの中長期的な構造転換を支える重要事業に育つ可能性がある。