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雷虎科技、Blue UAS認証を梃子に欧米防衛市場へ
Posted on 2026/03/26
台湾の無人機メーカー、雷虎科技(Thunder Tiger)が、欧米防衛市場の開拓を本格化している。ドイツ・デュッセルドルフで開かれた「XPONENTIAL Europe 2026」では、米国のBlue UAS Cleared Listに採用されたFPV攻撃型無人機「Overkill FPV」を軸に、光ファイバー伝送システムやAI群制御技術、無人水上艇(USV)を披露した。機体単体の売り込みにとどまらず、空と海をまたぐ多領域運用を視野に入れた製品群を提示した格好だ。
今回の出展で同社が前面に押し出したのは、「非レッドサプライチェーン」という立ち位置である。中国製部材を排除し、台湾の製造基盤を活用した供給体制を整えることで、近年の防衛調達で重視される供給網の透明性と信頼性に対応する。無人機分野では性能や価格だけでなく、部材の出所や供給の安定性そのものが採用判断を左右しつつある。
主力展示品のOverkill FPVは、米国のBlue UAS認証を取得済みだ。米軍向け調達において一定の信頼性を担保する指標の1つとされ、同社にとっては北米市場開拓の足掛かりとなる。もっとも、認証取得がそのまま量産受注に直結するわけではない。今後は量産能力や継続供給体制、運用環境への適応力まで含めた総合的な競争力が問われる。
雷虎科技はあわせて、台湾製の光ファイバー技術を採用した「Overkill Fiber Optic FPV」も披露した。光ファイバー方式は、従来の無線周波数ベースのFPV無人機に比べ、電磁妨害を受けにくい点が特徴だ。電子戦環境下でも通信を維持しやすく、前線での精密打撃や偵察任務への適用を見込む。
加えて、AI自主判断と群制御技術を組み合わせた「Overkill AI FPV」も公開した。複数機による自動協調、動的な偵察、同時多点攻撃といった運用を想定しており、単一機の性能ではなく、システムとしての自律性や拡張性を訴求する。軍用無人機の競争軸が、飛行性能中心から、耐妨害性、自律制御、群運用、量産供給力へと広がっていることを映している。
展示会ではこのほか、小型偵察用無人機や無人水上艇「SeaShark」も出展した。空中と海上を横断する製品群をそろえることで、防衛用途での提案力を高める狙いがある。台湾メーカーが非中国依存の供給網を武器に、欧米の防衛サプライチェーンにどこまで食い込めるか。雷虎科技の動きは、その試金石の1つになりそうだ。