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帝濶智慧(DeCloak)、AI医療映像匿名化 患者のプライバシーを守りながら画像解析を実現
Posted on 2026/03/25
生成AIやマシンビジョンの活用領域が、工場や公共空間から家庭、医療現場へと広がるなか、AIシステムにおけるプライバシー保護の重要性が一段と高まっている。台湾のロボット関連団体「ロボット・イノベーション・アライアンス(RIA)」の会員総会では、帝濶智慧科技がデータ匿名化技術をテーマに講演し、医療や見守り用途を見据えたプライバシー保護型AIソリューションを紹介した。
帝濶智慧科技の鄒耀東総経理は講演「データ匿名化のハード・ソフト統合ソリューション」で、同社が「プライバシーを守るスマートブレイン」の提供に注力していると説明した。生成AIや画像認識技術が生活空間や医療現場に浸透するにつれ、個人情報や映像データの漏えいに対する懸念も強まっているという。
同社の中核技術であり、2026年のCESイノベーションアワードを受賞した「プライバシー・インテリジェント・コンピューティング・アーキテクチャー」は、ロボットや監視システムが欧州のGDPRなど厳格な国際規制に対応しながら稼働できるよう設計されている。最大の特徴は、映像や各種データを取得後に処理するのではなく、センシング段階で不可逆的な匿名化処理を施す点にある。
従来のAES暗号化のように元データを保持したまま保護する方式とは異なり、帝濶のDeCloak技術はセンシング層で映像やデータそのものを識別不能な形に変換する。このため、AIは姿勢や動作、異常行動、危険兆候などを高精度で認識できる一方、個人の身元を特定することはできない。匿名化後も学習や推論に必要なデータの有用性を維持できる点が、同技術の競争力となっている。
ソリューションの提供形態も柔軟で、ソフトウエア単体に加え、SoCチップとしての実装や既存インフラとの統合にも対応する。
医療分野では、患者映像のプライバシーを守りながら、侵入検知、暴力行為検知、転落・滑落検知といったAI映像解析を実現できるという。プライバシー保護とAI活用を両立する基盤技術として、帝濶智慧科技は医療、介護、見守り市場での展開拡大を狙う。