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力積電(PSMC)、銅鑼工場売却を完了 マイクロンとHBMで技術協業

Posted on 2026/03/16



写真は、2024年5月開業式

台湾のファウンドリー大手・力積電(PSMC)は3月16日、苗栗県の銅鑼工場を米メモリー大手マイクロン(Micron)に売却する取引を完了したと発表した。取引総額は18億米ドル(約577億台湾元)。工場の引き渡し後、両社は契約に基づき、高帯域幅メモリー(HBM)の後工程ウエハー製造受託や、メモリープロセス技術での協業を進める。力積電にとっては、従来のファウンドリー事業に加え、AI関連の3Dパッケージングやメモリー供給網への展開を加速する動きとなる。
力積電の黄崇仁董事長は、同社の3D AIファウンドリー事業がすでにウエハー・オン・ウエハー(WoW)、インターポーザー、シリコンキャパシターウエハー(Si-Capacitor)などの技術分野に展開していると説明した。今後はマイクロン向けにHBM後工程ウエハー製造サービスを提供する。AI向けメモリー関連の受注取り込みに加え、DRAM技術の高度化や8G DDR4製品ラインの拡充を進めることで、ファウンドリー事業の付加価値を高め、3D AIファウンドリー事業の技術ロードマップをより完整なものにする方針だ。
マイクロンは今回の買収を、台湾での生産拡張に向けた重要な一歩と位置付ける。グローバルオペレーション担当エグゼクティブ・バイスプレジデントのManish Bhatia氏は、AI用途の急拡大に伴い、メモリーがシステム性能を左右する中核部品になっていると指摘した。そのうえで、銅鑼工場の取得と段階的な増産により、AIがもたらす市場機会を取り込む力を高められると説明した。
マイクロンによると、銅鑼工場は台中の大規模工場から約24キロメートルに位置し、既存拠点との垂直統合や相乗効果が見込める。約30万平方フィートの12インチ既存クリーンルームを活用し、HBMをはじめとする先端DRAM製品の供給能力を拡大することで、AI市場の需要増に対応する方針だ。2026年1月の取引発表後にはすでに新工場の整備作業に着手しており、取引完了後は既存クリーンルームの改修を進め、2028年度から本格的な製品出荷を支える体制を整える計画という。
さらにマイクロンは、銅鑼工場の次段階の拡張にも乗り出す方針で、2026年度末までに第2ウエハー工場の建設工事を始める予定だ。これにより、約27万平方フィートのクリーンルーム空間が新たに加わる見通し。生成AIサーバーの拡大を背景にHBM需要が伸びるなか、台湾は先端メモリー製造と関連サプライチェーンにおける重要拠点としての位置付けを一段と高めそうだ。



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