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義隆(ELAN)、達盛(ubec)と連携 低軌道衛星向けRFフロントエンドICを開発
Posted on 2026/03/11
タッチコントローラーIC大手の義隆電子(ELAN)は、出資先の達盛電子(ubec)と共同で、低軌道(LEO)衛星のアレイアンテナ向けRFフロントエンドICを開発したと発表した。2025年末までにエンジニアリングサンプルの開発を完了し、現在は台湾の衛星通信アンテナメーカーや通信機器メーカーへサンプル提供を行い、製品評価を進めている。次世代の衛星通信市場の開拓を狙う。
同社によると、世界の低軌道衛星市場は急速な成長期に入っている。市場規模は2024年の約150億ドルから2035年には約1080億ドルへ拡大する見通しで、関連分野の需要拡大が見込まれる。義隆電子は達盛電子との協業を通じ、拡大する低軌道衛星ビジネスの取り込みを図る。
今回開発したICは、低軌道衛星の地上送受信装置に搭載されるアレイアンテナシステム向けで、衛星信号の送受信時の増幅を担う中核部品となる。達盛電子は国際競合に比べ価格面で優位性を持つほか、顧客の用途に応じてチップ仕様を柔軟に調整できるカスタム設計にも対応する。用途は航空宇宙、防衛、モバイル衛星通信、IoT、コンシューマー分野など幅広い。
達盛電子は既存のRF技術を基盤に、近年は低軌道衛星通信向け半導体の開発を強化している。2025年末までに関連チップのエンジニアリングサンプルを2製品投入しており、2026年には新製品の開発をさらに進め、製品ラインアップを拡充する計画だ。すべての製品を台湾で研究開発・製造していることから、地政学的リスク分散の観点でも競争力が高いとしている。
今後、同技術は低軌道衛星通信にとどまらず、高高度プラットフォーム(無人機など)や地上の5G・6Gアレイアンテナといった次世代通信インフラへの応用も見込まれる。世界的に衛星通信インフラ整備が進む中、関連するキーデバイスの需要は中長期的に拡大する見通しだ。
義隆電子は達盛電子との連携を通じ、将来的にはフェーズドアレイアンテナ技術とAIアルゴリズムの融合を進める方針。衛星通信および次世代ネットワーク分野での事業基盤を強化するとともに、事業の多角化によって企業の成長力とレジリエンスの向上を図る。