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MSI(微星)消毒ロボットが一万坪の養護老人ホームで実証実験

Posted on 2020/06/18



 新型コロナウイルス (COVID-19) が世界中に爆発的に広がっている現在、高齢者介護施設は親族の訪問が禁止されたり、感染しやすい高齢者のために閉鎖されるという事例が数々あった。また、高齢者の介護環境を消毒する作業は人手がかかりたいへんな作業である。そのため高齢者介護施設はや病院では消毒ロボットを導入したいという要望が殺到。ロボットに除菌や消毒の作業、また清掃や薬品の配送、物の運搬なども期待されている。
 防止対策として、MSI(微星)イノベーションセンターでは20人のチームで自走式ロボットを開発。UV除菌ライト及び空気清浄機を載せて消毒などのサービスを提供する。
 除菌効果を確認するために台湾の明志大学環境工学科の助教授洪明瑞氏に依頼。成功大学病院にて実証実験を行った。人間が入った20人の会議室で除菌ロボットが自律走行除菌作業を行い。 4分未満で、細菌の数が半分に減少させたという結果を出した。
 MSIは18年前から掃除ロボットのOEM/ODM事業を始めた、SLAM技術チームを設立し、高精度なマップ構築技術を持つ。現在、米国、ドイツ、日本でSLAM制御技術、ナビゲーション、センシング関係技術が30件の特許を申請している。
 MSIロボットのSLAM制御技術はソフトウェアとハードウェア両方を上手く組み合わせることがノウハウ。ソフトウェアは独自開発したアルゴリズムを使用、位置マップが自動的にセンサーと連動。周辺環境の地理的な特徴を見つけ、つねに正しい軌道が維持できる。ハードウェアには、4つの第2世代LiDARを装着、IntelのReal Senseも付け加えた。地図情報データを保存するには128G SSDメモリを設けて、10,000坪の空間情報に対応できる。
 次世代のロボットは平面空間での作業ばかりではなく、エレベーターのコントローラと通信して、エレベーターを利用して各フロアへ昇降出来る、サービス領域が建物全体に届ける。
 MSI今年は消毒ロボットの実証実験で経験を積み重ねてきた。台湾の三峡という地区の特別養護老人施設に設置した。このエリアには3つの建物、16軒の特別養護老人ホーム、延べ面積は10,000坪以上、なかに816名居住者がいる。現在台湾で最大の民間が経営する「養護老人施設」である。
 「一般的にロボットのSLAMマップは約100 坪の空間しか対応できない。しかし、当社はSLAM特許を持ち、10,000 坪を超えた領域でも処理が可能。現在、現場に3台のMSI消毒ロボットが配置してあり、作業時間を短縮するため9月に10台に増設予定。実証実験は1年間の計画で実施する予定。」
 担当者によると「台湾での実証実験が成功したら、よりGDPが高い地域での展開、また高齢化が進んでいる地域で展開を目指している。さらに、介護スタッフの負担を軽減するために消毒ロボットを提供する予定」とMISカスタマイズ製品部の黄亞密課長の述べている。



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